通勤、買い物、遠乗り、レジャー全般に使用。高速、町中、オフロード全てを満足出来る車が欲しくて選びました。特筆すべきは、小回り性です。サイズからは想像出来ないくらい、小回りが効きます。カタログの最小回転半径5.4mは伊達ではありません。5ナンバーサイズの車から乗り換えても、小回り性では困らないと思います。
以下のレビューは主にランクル100(4.2Lディーゼル)との比較になります。
【総評】
ON、OFF両方の走り、高速安定性、乗り心地とも、満足度は高いです。国産車に比べると細かい部分でイマイチなところはありますが、スタイルが気に入って、燃費を気にしないのであれば買って損は無いです。特に中古車は、極上品でも新車価格に対して値下がりが大きいのでお買い得だと思います。
【エンジン】
低速からトルクがあり、上もそこそこ伸びますが、パワー不足は否めません。車重2500kg(車検証見たら、ランクル100よりも重い!)もあると、3.2LのNAでは荷が重いのかもしれません。
なお、排気量の割にはギヤ比が比較的ローギヤード(100km/h、6速で2400rpmくらい)で、街乗りでは、ランクル100の4.2LのDTと比較してもトルク不足は感じません。なお、トルコンのセッティングの関係とは思いますが、出足は緩やかなので、人によってはだるい、重いと感じるかも知れません。
【ハンドリング ON ROAD】
初期の応答は思ったよりだるく、SUVを感じます。ただ、ハンドルを更に切り込んでいくと、思った以上にアンダーが出ず、どんどん曲がっていきます。ロールについても自然な程度にありますが、SUVとしてはかなり少ないです。ただし、こちらはタイヤに依存していた部分もあり、純正のHPタイヤ(オンロード用)からHTタイヤ(オールシーズン)に変えたら、アンダーステアが出るようになりました。
ただ、ランクルにHPタイヤを履かせたときは、コーナーリング時に、ボディーがタイヤに置いて行かれる感があったことを考えると、やはり足回りの出来は良いのだと思います。
【走り OFF ROAD】
当たり前かもしれませんが、純正のHPタイヤでは、殆ど期待できません。ESPは、安全性には役に立つのでしょうが、凹凸の大き目なOFF ROAD や 深雪(スタッドレス使用)では、エンジンの出力まで制御され、前に出なくなることがあります。こんなときは、ESPOFF、センターデフロックONで、かまわずアクセルを開けると、滑りながら前に出ます。アングル角は前後とも余裕あるので、オフロードは、見た目より得意だと思います。
【高速】
安定性は抜群です。オートクルーズも、180km/hまで設定可能ですが、それが伊達では無いと感じます。更に首都高をハイペースで走るのも苦にならないハンドリングを持ち合わせます。
ATについて、巡行時は6速に入りますが、一度アクセルを緩めて、再度踏むと、加速しないで、速度を維持するため程度のアクセル開度でも、必ず5速度にシフトダウンされます。確かに6速だと、加速力が殆んど無いのですが、速度維持程度で、シフトダウンされるのは、うるさく感じます。
【ブレーキ】
最高レベルのブレーキです。タッチ、効き、耐フェード性、ブレーキング時のピッチング(足回りですが)、どれをとっても優れています。欠点は、欧州車に共通することだと思いますが、ホイールの汚れ、パッド&ローターの摩耗の速さ(約3万5千キロで、パッド、ローターとも交換)です。純正から安価だった(とは言っても12万円オーバー)ディ○セルさんの、PDローターとプレミアムパッドに変えたら、全く安心できないブレーキになってしまいました。摩耗は少ないですが。
【乗り心地】
かなり良いと思います。足回りは硬いとは思いません。SUVにありがちなフワフワ感が少なく、程よくダンピングが効いるといったところです。ロール、ピッチングもよく抑えられています。遮音性に関しては、クラスを考えると良いとは言えないです。エンジン音、周囲の音の侵入とも、ランクル100のDTより大きいです。ギヤ比の関係で、比較的エンジン回転が、高くなるのも一要因と思います。ただし、不快な音は上手く遮断されていると思います。
【内装】
内装の質感は、まあまあといったところです。ランクル100やパジェロに比べると見劣りしますが、安っぽさは感じません。ドリンクホルダや小物入れなどは、良くできています。気になるのは、フォルクスワーゲン車全てに共通しているようですが、内装の塗装剥がれです。5年程度で剥がれてくるようです。気になったので部品交換しましたが、結構高価(総額10万円超え)でした。その他、国産車では信じられないのですが、雨の日にリヤハッチを開くと、雨水が荷室に流れ込みます。ボディーに付着した雨水のガイドみたいなものが無いみたいです。
【取り回し】
ボディーサイズからは考えられないくらい小回りが利きます。また、ボディーの四隅の位置がわかり易く運転しやすいです。車両感覚が掴み易く、ギリギリまで寄れるので、予想以上に狭い場所でも行けます。自分を例にすれば、マークⅡクオリスより狭い場所に行けます。車両感覚が掴み易いという点では、ランクルも負けていませんが、小回り度合いが全然違う(最小回転半径が小さい)ので、圧倒的にトゥアレグの方が優れています。
あと、意外に便利なのが、オートサイドブレーキです。最近のフォルクスワーゲン車には、全車標準装備のようですが、国産車にも採用して欲しいものです。
【維持費】
それなりにかかります。燃費は所有したことある車の中で最悪(3.8~6.7km/L、平均4.4km/L)です。
また、ブレーキパッド、ローターの減りも、所有したことある車の中で最短(約35,000km)、かつ高価(ローター、パッドで純正25万、ディクセル製12万)です。
【故障】
現在までの故障は下記の通りで、10年超えであることを考えれば少ない方だと思います。
(1)電動ファンコントロールユニット故障
修理:ユニットAssy交換にて 8万5千円
(2)シャフトドライブベアリング破損
トゥアレグ定番の故障みたいです。
修理:ベアリング交換 6万円
(3)バキウムホースクラック
経年劣化によるものです。国産と違って、真鍮では無く、ビニール製なので、経年劣化が、早いみたいです。
修理:ホース交換 9万円
(4)オーバーヒート警告転倒
修理:水温ゼンダ交換 3万円
(5)リヤハッチ開閉ウインドウのダンパー劣化により、ウインドウ開けても止まらず、閉まってしまう。
修理:ディーラーだと、ダンパー交換で6万円とのこと。内装剥がさないと交換出来ず、工賃もやや高いです。
ネットで、ダンパー購入して自分で交換したところ、リヤハッチ、リヤガラス、ボンネット全てを交換して、2万円程度でした。
(6)トランスミッションから振動が出るようになりました。特に40km以下の低速域で、ゆっくり加速するときに出やすいです。ディーラーで、見積もると80万円とのこと。安価な方法も、あるのかも知れませんが、年式も年式なので、買い替えることにしました。