続々 ’86 WEC in JAPAN　FISCOでマーチを走らせた日

ペンションなる宿に泊まったのは、TTさ
んも私も初めてでした。
小綺麗な部屋で、風呂に入る事は愚か、
シャワーすら浴びていない、徹夜続きで
汚れたツナギのアンちゃん二人に、ドラ
イバーだから優遇されていた小綺麗なYT。
明朝、いやいや、3時間後には、FISCO
に向かって出発するんだから、仮眠をす
るくらいの時間しかないんだけど、寝ようとしたら聞こえて来た
隣の部屋の声。それも若い女性の楽しそうなはしゃぎ声だったか
ら、御立合い（パンパン）
※注　講談で、扇子で釈台を叩く時の音ですが、御立合いって言
　　　ったら、バナナのたたき売りか、ガマの油売りだな

こっちも若い男で、それなりに・・・の頃で、野郎が三人。
予選の事を思えば、まずは寝なきゃいけないという事は承知も、
楽しそうな複数の女性の笑い声。
森の中に佇む、洒落たペンションに来た女性たちに、興味が無い、
スケベ心が湧かないんじゃ男じゃない(パンパン)

メカニックのTTさんは「YT、朝飯を食ってゆっくりして、予選に
備えようじゃないか」というような事を言ったと記憶している。
要は隣の部屋の女性を拝みたいという事(パン)

YTは「受付時間に間に合わないから～～～」って言うようなことを
言ったら、TTさんは「レースをやろうという気持ちが萎えちゃった」
みたいなことを言い、「YTとキンゴロウで先に行け。俺は残るよ」
みたいな本気とも、冗談ともつかない状況に。

結果的には、三人乗りのトラックしかないから、後から行くよなんて
事は出来ず、朝食前に宿を発つことになり、昨夜の女性たちに会う事
もなく、駿東郡小山町大御神の富士スピードウェイにむかうこととな
りました。

この3年後、富士GCの前座のレースがあった時、いつもの宿が取れなか
ったので、再びお世話になる事に。
レース当日、近所の別荘や、ペンションCに泊まる他のお客さんも、ま
だ外に出てこない早朝、木漏れ日の差すテラスには、モーニングコーヒ
ーを飲み寛ぐ社長の弟さん。
「まぁ慌てずに、ゆっくりコーヒーでも飲みなよ」って。
私もドライバーもギリギリまで寝ていて、朝食前には発たねばならない
けど、「なんか、レースをヤル気にならないなぁ」と。
ちょっと引きつる、その日のドライバー。
でも、コーヒーを飲み終わり、ほぼ予定通りに出発。

双方のレース結果は、全く覚えていません。
レースの宿にペンションは選ぶべきではないという事だけ学びしました。
そのペンションは、今でも営業しているようです。
行って見ようかなとは思うけど、私には似合わない場所かもしれません。

車があれば行動範囲が広がり、交通の便のは悪いが、閑静で心休まる場所
に行くことも出来ます。
あぁ、自家用車って、本当にいいですね。

3日間お付き合いいただいて、腹立たしいくらいつまらないオチだと思う方
もいる事でしょうけど、親父の回顧録、備忘録だと思って、勘弁してくださ
いね。