スラストメタル、脱落する前に交換してやる‼︎④「R06A、終わりの始まり」
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スラストメタル、脱落する前に交換してやる‼︎③の続きです。
自分は現役の自動車整備士でも無ければ内燃機関の設計者でも有りません、が金属を取り扱う「プロの機械屋」目線でこのエンジンR06Aの「異常箇所」を書いて行きます。
以降の文章はあくまでも自分自身の主観による我が家のアルトのエンジン「R06A」と鈴木旧型汎用エンジン「K6A」との比較になります。
全てのR06A共通の課題となります。
R06A搭載車両のオーナーは気分を害する可能性がありますのでここで読むのをやめた方が良いかも知れません。
外したスラストメタル、上から順番に高負荷側、低負荷側、新品の順番です。
新品から0.5mm程の摩耗では有りますが、通常エンジンのスラスト方向摩耗量限界を遥かに超えたまさに「異常事態」です。
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このベアリングキャップとクランクシャフトに有る「隙間」
わざと空けてるのかと思う位?摩耗したスラストメタルが噛み込むのにピッタリな「隙間」です。
スラストメタルの「厚み」を考えたらこんな「危険な」構造は考えつきません。
さらにこのエンジンには、メタルが脱落しなければOKなどと言う簡単な良否判定では済まない重大な問題が有るのです。
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更におかしいのがこのベアリングキャップ
本来ならここにもスラスト方向圧力を支えるべきスラストメタルがハマっている筈なのに、単なるラジアル方向の支えとしてでしか役に立って居ません。
そもそもこのエンジン自体はトルコンCVTを使う事が前提で普通のクラッチ操作で発生するスラスト方向の耐摩耗性や剛性確保は考えて無かったのでしょう。
さらに…
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摩耗により開いた隙間で暴れて斜めになったメタルが「鋭利なスクレーパー」の役割を果たし、容赦なくクランクシャフトの摺動面までもガリガリと削って行き、その削りカスが大量に発生していた事は写真を見れば容易に想像が付きます。
これもスラストメタルを2枚追加して対向に並べ「円形状」に支える構造ならここまでクランクシャフトが摩耗する事は無かった筈です。
(この写真を見せた専門家筋の判断としては素材や焼入れ云々の問題では無いそうです)
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そして本来ならオイルパンに溜まった削りカスがエンジン全体に回らないようにこのオイルストレーナーやオイルエレメントが不純物を濾過するのですが…
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この目の粗さでは…(;´д`)💦
実際この網目には何の金属片も残ってはいませんでした。
ウチのはオイルエレメントもローフリクションタイプで濾過能力が低い為、エンジンをかければその瞬間から大量の金属片は容赦なくエンジン内壁を削り続けて行きます。
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現在「ディーラー様」がダメだと判断してくれた車両のみメーカーは延長保証と言う形でクランクシャフトやクランクケースの交換をしてくれるらしいのですが…
こんな重大な「欠陥」に対して何故…
スラストメタル脱落以前に僅かなガタ付きなだけでも計測、クレーム対応してくれないのでしょうか?
異常摩耗により無用な側面圧力を受け、歪んだコンロッドやピストン、シリンダーは交換してくれないのでしょうか?
更に言えば削りカスが回ってしまったヘッド周りやタービンは交換してくれないのでしょうか?
それこそ普通に乗っているオーナー様達は「スラストメタルの脱落など全く気がつかないまま」今日も日本の何処かを走っています。
もう今更自分が「ディーラー様」に泣きつく事は有りませんが、今後同様のトラブルに見舞われるであろうユーザーに対してメーカーは是非ともリコールとして対象車両全車「対策済みのエンジンAssy交換」を推奨して欲しいと切に願います。
(後にこのエンジンはその対策すらままならないと言う現実を知りました)
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少なくとも前鈴木汎用エンジンとして使われていたK6Aだったらどんなに弄り倒しても20万km位は何事もなく無茶走りに耐えてくれた事でしょう。
写真はK6Aのクランクケースですが、同じメーカーの汎用エンジンとは思えない位堅牢でタフな作りで、少なくとも「スラストメタル脱落事例」など聞いた事が有りません。
せめてR06AにこのK6Aエンジンの半分位程でも耐久性があれば…
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自分はアルトターボRS購入後某サイトでのK6AとR06A内部構造比較にて、そのR06A各部の華奢そうな部品の数々に不安を感じて「あぁ、K6Aのようなタービン、クラッチ強化等ハードチューンは無理だな」と判断。
過去のオフ会でもクラブメンバーに「HA36ワークスがK6ターボを搭載したらメインカーとしてもう一台買いますよ」と語っていましたが、結果的にそれが「今回のフリ」になってしまいました。
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ここまで弄り倒した事やディーラーの延長保証を受けない事に後悔は有りません。
そもそも自分がHA36アルトのICターボとスポーティな外観イメージだけで勝手に、R06Aを「スポーツエンジンだと勘違い」してパワーアップだトルクアップだとチューニングを進めて来たのですから、それこそ全て「自己責任」です。
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もう既に大量の削りカスに蝕まれ、各部が歪んでいるであろう、内燃機関としてはもう終わってしまったアルトX4のエンジン。
今回交換したスラストメタルも傷ついたクランクシャフトもいつまで持つかわかりません。
明日にもエンジン全域を蝕み続ける金属破片により動脈硬化を起こすかも知れないし、何より壊れてしまう事は明らかでいつ壊れてもおかしく無い車のチューニングなど全く楽しくない。
こんな不安を抱えたまま今後どーやってこの車と向き合って行けば良いのか?
スラストメタル、脱落する前に交換してやる‼︎⑤「最終まとめ」に続きます。
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