有年八幡神社(赤穂市)
「飾り石」が有名な有年八幡神社
2024年04月07日
有年八幡神社では、誉田別命(ほむだわけのみこと)、帯中津日子命(たらしなかつひこのみこと)、息長帯姫命(おきながたらしひめのみこと)という三神が祀られています。
この地で三神が祀られ始めたきっかけは、上郡町の山野里にあった社殿が洪水の影響で東有年に流れ着いたことにあるのではないかと言われています。
本殿にある切り込みハギで作られた石垣のなかに「飾り石」と呼ばれるものがはめ込まれています
本殿に向かって左から扇、三日月、兎です。
扇は別名「末広」といい、肩の要を中心に上へ広がっていることから、未来への繁栄を願う気持ちが含まれています。
扇には中国唐代中期の詩人「白居易」の漢詩「百練鏡」の一節
「四海安危 照掌内 百王理乱 懸心中」の文字が刻まれています。
(四海の安危をば 掌の内に照し 百王の理乱をば 心の中に懸けたり)
王は世の中の状況を常に把握し、過去を教訓に心して治めよとの意味とのことです。
三日月と兎は民を現わし、三日月がやがて満月になるのを兎が待っている風景で、満月になれば月に帰り餅をつくことが出来ます。民に餅つきが出来るように米作りに一生懸命働けとの意味が込められていると思われます。
領主と民のあるべき理想の姿を示しているのではないかと思われます。
飾り石は数少なく、このような完成度の高い飾り石は他では見られません。
石垣は切り込みハギで、幕末から明治初頭に築かれたものと思われ、左端に「石工 落地村 見村久吉 作之」と刻まれています。
Photo Canon EOS 5D MarkⅣ
R6.3.18
住所: 兵庫県赤穂市東有年727-1
関連リンク
地図
関連情報