時間を持て余していた正月の3日、思い立ってウォンイットで遠出してやろうと。
ETC車載器を装着していたのですが、非力さ+慣らし運転中ということで高速道路はちょっと気が引けていたのですが、ええいとばかりに行っちゃいました。
神戸から徳島までは、神戸淡路鳴門自動車道という高規格道路が通っていて、ほとんどの区間で制限速度が80または100キロ/hとなっています。一部70キロ制限区間がありますが。
ウォンイットで100キロ巡航など考えられないので、明石海峡区間および鳴門海峡区間のみ有料道路を使用することに。
正月の土曜なんで通行量が多め、ゆえに低速車も適当に走っています。70キロで流す軽の後ろに着けば、ウォンイットでもそれなりに余裕があります。
巨大な明石海峡大橋の片隅を、小さなウォンイットで身体を大幅に露出した状態で走る心もとなさと開放感。バイク乗りはもっとすごい感覚を日常的に味わっているのでしょう。ともかく、目の覚めるような興奮状態で橋を走り終えました。
あとは淡路島の下道を延々と。50キロ制限の道を、きちんと50キロで流している淡路島民の順法精神。たぶん順法精神に由来する流れの速度ではないと思うけど(笑)。ゆったりと転がしました。
淡路島の最南端まで来ると、低いながらも山がちな地形に。けっこうなワインディングロードを走りつつ、有料道路の入り口を目指します。
アップダウンも大きいので非力なエンジンでは上側の速度は大したことはありません。
でも、ウォンイットの車高の低さにより、コーナリング性能はそこそこあるんだ、これが。
のぼり直線では後ろを突っついてくる普通車が、コーナリングに入るとみるみる後ろに。なるほど、ブレーキを踏まなくても駆け抜けられるウォンイットの低重心。面白いね、この感覚。
大鳴門橋を渡り、四国側初めてのICが鳴門北。ここで出ると、鳴門海峡から紀伊水道に沿った海岸線の道に。砂浜が続き、リゾートホテルや旅館がいくつか並ぶ、風光明媚な道路です。
この界隈は、徳島が誇る大企業の1つ、大塚製薬のおひざ元。そもそも塩業から始まったこの会社は、非上場ながら日本の巨大製薬企業に成りおおせました。学生時代、創業家の子息に家庭教師をしていたので、内幕をあれこれと聞いています。彼ももういい年になってんだろうな。「大塚製薬に入るため、薬学部か化学系の工学部に行きたい」と言っていて、無事に国立大の化学応用学科に入学できたので、今頃はめでたく出世街道まっしぐらかな。
とにかく、大塚あっての鳴門・徳島みたいなニュアンスもあるので、こんな画が普通に目に入ります。
ボンカレー、大塚食品かな。隣にはチオビタ(大鵬薬品、大塚の子会社)やポカリスエット(塩業そのまんまですな)の巨大な壁画も。
徳島市内では既に定番となった徳島ラーメンを食べてきました。「田村」という店。甘めの濁ったしょうゆベーススープに、ぼそぼそとした素朴な中華そば麺。うん、安心して旨いと思えます。徳島ラーメンと十把ひとからげに言われてはいますが、店ごとの味の違いはけっこう大きいので、有名店だけ食べてさよならというのは残念無念です。
「あべ」「よあけ」「岡本支店」「ふく利」あたりをお勧めする私の好みは、ややサラッとした味わいの方向でしょうな。肉は、チャーシューよりも煮込んだばら肉がお勧めです。
さて、帰り。
日が暮れて気温もぐんぐん低下します。道中に表示されている気温が0度とか-1度とか。冷え冷えです。足の甲、スネ、モモ、腹などに貼るカイロをベシベシくっつけて帰途につきました。
ここでトラブル発生!どうも水温計の表示が上がり気味なんです。
あれ、ここまで上がってるの見たことないという表示にビビりながら、鳴門海峡を渡っていると、いよいよオーバーヒート症状が。エンジンの回転が不安定になってきて、最後はエンスト。おいおい、こんなところで止まれねーよ。
かなり泡食いましたが、惰性で転がりながらエンジンの再始動に成功。淡路南のPAでエンジンを冷まします。
20分くらい経ち、水温計が十分に冷えたのち、下道へ向かいます。時速50キロ程度で流しているぶんには異常な水温まではいかない。デジタルメーターの表示設定を弄っていると、水温そのものが表示されます。85度~95度程度でなんとか流せました。
ヒヤヒヤしながら淡路島の北に到着。最後の関門は明石海峡大橋です。概ね4キロもある大吊り橋ですから、登り区間が2キロはあるということ。これを越えるまでオーバーヒートせずに走れるだろうか?
トールゲート手前で30分ほどエンジンを冷まし、来たる試練に向けて心と体の準備をします。
さて、行くぞ!
アクセル開度を大き目にしても、時速70キロ程度。もっと踏み込めば90キロくらい出るのだが、今はそれは怖すぎる。なんとかこの速度で登り切ってくれ!あとは軽めに転がり落ちればよい・・・。
などと思っていたら、やはり鳴門と同じような状況に。エンジンの回転が不安定になり、そう、例えばガソリンが底をつき、アクセルを踏んでも燃料供給が滞ってエンジンが回らなくなったり、息を吹き返したり、とそんな感じ。
ああ、もうあかん。
そう思って、ハザードを点けて路側帯へ進み、失意のクールダウン。
15分程度冷やした後、ハザードはそのままに路側帯を時速25キロ程度で転がします。パトカーが来たらなんか言われるだろうな。道交法違反になるのかな。切符は切らんとってくれよ、エマージェンシーだがや。
橋を切り抜けるころには十分にエンジンは冷めていたのと、たまたま交通量が減ったので、左側車線を50キロで進みました。最低速度制限って、ここ、あったかな。あったとしても50キロだろうな。そんな気持ちで。
ほうほうの体で家に帰りつき、翌日エンジン回りをチェックしてみると、こんなことに。
あぁ、ラジエーターに直付け溶接されている冷却ファンユニットが脱落してやがる!
これ、北陸にあるウォンイットの販売店、コレッツさんのブログにたびたび出てきてた持病ですな。
自車を調べると、3カ所あるラジエーターのうち、2カ所は完全に脱落、1か所もブラブラしている状態。
「艦長っ、報告です!本艦の機関冷却機能、85%が失われておりますっ!」みたいな状況。
ということで、販売店に報告すると、対策品を取り寄せてくれるということ。
ま、納車1か月点検的な気持ちでおおらかにいきましょう。こんなこともあるさ!という気持ちで付き合うべきマシンだと、初めから覚悟しておりましたので。
でもね、エンジン出力が下がるほどのオーバーヒートをしちゃったでしょ?エンジンブロックに歪みが出てきても仕方ないよね。エンジンブロックのすき間から冷却水系とかオイル循環系などの液体が滲み出すようなことになると厄介だよね。
と、悲痛な顔をしながら実は喜んでいるのです。
そう、日本製エンジンに乗せ換え計画を発動しようかと。
250cc単気筒で20馬力という現在のエンジンは、日本製の同等エンジンにそん色ないとはいえ、パワーを売りにしたエンジンたちには全然かなわない。
1990年前半くらいまでに活躍していた2気筒エンジンでも、40馬力を平気で絞り出す日本製エンジンはいくらでもあります。
そういうエンジンに換装したら面白いだろうな~・・・なんていうスケベ心ですよ。
さて、どうしようかねぇ。先立つものも必要ですが。
乞う、ご期待!
(乞うてしまって大丈夫か??)