やせふくろうのブログ一覧

［ Toshi's story ］
例えば淑の１日はこんなふうである。

１時間目は物理学。１年の時の必修科目なのだが、落とした。
２年、３年時はその時間に他の科目があったので、４年で再度受講する。
この先生は毎年の試験が４問題で、２問は去年と同じものが出る。先輩から
聞いた情報である。１年の時は知らなかったので落としたし。
それなら授業は出なくてもいいようなものだが、やはり４年はやり直しがきか
ないので、一応授業には出る(ようにしている)。

２時間目は休講になった。遊びに行こう。
大学を出て、坂を５分ほど下ると友人の下宿だ。
『遊びにきたぞぅ』
「なんだ授業じゃねーのかよ」
『おまえは一般科目じゃないのか』
「行くわきゃないだろ～」
ちょっと親には聞かれたくない内容である(笑)。
昼前になったら、いっしょに下宿のそばの食堂に行く。店名は「大学食堂」。
ここのランチは早い。
頼んだ瞬間には、野菜をいためる音が始まる。
マンガを読みながら食う。学食よりはちょっと高いかな。学食は結構混んで
るので、ちょっと落ち着かない。

昼飯を食べたら友達と別れて、卒論の研究室に行く。
一応授業のないときは、かならず部屋に行って実験やレポート、資料作りを
徐々に進める事にはなっているが・・・教授がいない時はどうなるか想像に
おまかせします。
淑の研究室は８人ほどのメンバーだが、５回生と６回生が各１名。留年と
いうか、去年は卒業研究履修要項未達（単位不足）という方です。
もともと単位取得の為に、同じ学科の縦の繋がりにはお世話になっている
ので、面識が無くてもすぐになじんで問題ない。はずだった。
でも、６回生の人が登校拒否になってしまった・・・困った事だ。みんなで
無事卒業したいのに。
６回生の人はその後無事立ち直ったのですが、最終的には５回生の人が
いっしょに卒業できなかった。履修上のささいなミスで・・・。

前期は、後期に比べ時間に余裕があるので夕方は早く帰れた。
淑も５時からは、いつものスタンドでバイトしていた。夕方７時前後が１日で
一番混む時間である。
雨の後は、洗車機もフル稼働になる。
客足が徐々に減った午後９時、手分けして店じまいをし、電気を消す。
お金がなければ帰って自炊。あれば弁当屋による。
さあ、急いで食べたら銭湯にいかなきゃ・・・

（明日は車の話入れますので、石を投げないで下さい）

［ Toshi's story ］
たとえ湿っぽい朝でも、淑の一日は始まる。
６畳の部屋に、無理やり付いた１畳分の板の間。そこに流しやコンロがあり
当時の典型的な学生用のアパートである。
玄関と廊下とトイレは共用。
だれも掃除しない、けどあまり気にもならない。そう長く住む所でもないし。

１年の時には、白楽の駅から１０分ほど歩いた住宅街の中だった。
大学まで歩くと３０分以上かかる。失敗だった。
遠いと行くのがめんどくさい。
雨の日は原付に乗るのが嫌だ。濡れたメットとカッパの置き場に困る。
結果、出席が減って単位が少なかった。
淑の大学は、卒業までに挽回すればいいのだが、そう悠長な事も言って
られないので２年からはちゃんと行くようにした。
理系は文系よりもクラス単位での行動が多いので、必然的に連帯感は
高まる。特に学籍番号の近いあたりは、否応なく実験など同じグループに
なる。
「あいつ、最近こね～ぞ」
「何か変なバイトしてるらしいぜ」
自宅から通学している人は、脱落率が若干高い。下宿してる奴には近所
づきあいや、同じ学科の先輩後輩の輪がかかるので、
「覗きに行くか」
「夜なら居るだろう」
これが、試験の時期なら更に往来が激しくなる。
先輩が語る試験の傾向。ひとにぎりの優秀な学生の部屋での勉強会。
持ち込み可の試験の資料作りにコピーに走ったり・・・。
この時期はおまわりさんも、夜中に走り回っていてもあまり止められない。
苦笑してすぐ通してくれる。
淑は、優秀では無いので“要領”で頑張らなくてはいけない。４年で無事
卒業するのが最大の使命だ。

３年になった時、学校の近くの下宿に換わった。
家賃は高くなったが、ここなら歩いて１０分ちょっとで行ける。
銭湯も近いし、生協もそばにあるので自炊の買出しも便利である。
自炊はやっぱり安上がりで助かる。３食を１ヵ月１万円で暮らしていた。
かなりシンプルだったように思う(笑)。

朝はトーストに紅茶。食パンが一番安いし手が掛からない。
朝食の後、ディパックに教科書とノートを入れどんよりとした空を見上げる。
今日は降りそうだ。歩いていくか。

傘を持って、学校へ向かい歩き始める。

今日はいつもの話はお休みにして・・・

原油価格が、じりじりとあがってますね。
もう警告灯がつきっぱなしなんですが、さすがに仕事の打ち合わせの帰りに
給油してきました。
行きなれない店は嫌なのですが、このあたりでは安い価格をば～んと明示
していて、前からうさんくさくかつ魅力的に思っているスタンドです。

『現金会員すぐなれますか～？』
「うちは、価格いっしょですよ～、クレジットだと２円高いです」
なるほどコスト削減の為に、会員制すら採らないようだ。
『ハイオク満タンお願いします』

店はそれほど古くはない。ただ、雑然としている。
リフト室には、ほこりだらけの展示台車に乗ったタイヤがほったらかしだ。
給油係は定年後の人ばかりのようだ。夕方はバイトがいるかもしれないが。
価格競争がコスト削減に直結していて、ちょっと物悲しい。
旧スタンドマンのチェックは厳しいのだ。
一応、窓はきれいな雑巾で拭いてくれた。

「57Ｌで7008円になります」
もう5000円札でお釣りがくる事はないのだろうか・・・
それでも、いつもの農協より5円安い。
缶コーヒーが２本おまけで付いてくる計算になる。　←うれしいらしい(笑)。
特に吹け上がりが悪く感じなかったら、またこよう。
帰り際に言われた。
「また来月、上がるみたいですねー」


マジで？(汗)

［ Toshi's story ］
時間が経つにつれ、淑もようやくレビンに馴染んできた。
車輌感覚、加速感、ブレーキのタイミングにライン取り。バイクにかなり乗って
いるので普通の人よりは早いであろう。
峠に行っても、なんとなくアンダーの出そうな速度感が掴めてきた。アクセル
を入れるタイミングとかも。

その日の午前中。
出勤の混雑が過ぎた時間帯だったと思う。友人の下宿に集まって、レビンに
３人乗って買い物に出かけた。大した用事ではなかった。
下宿を出て、空いている２車線（片側１車線）道路を軽快に走る。
交差点は青、見通しのよい下りで勢いをつけて、直角に右折して６車線の
国道１号線に出る時である。
少しブレーキを踏んで、右へハンドルをきる。乗ってる友人の手前、アクセル
を入れるのが早かった。
交差点右側の横断歩道で一気にテールが流れた。激しいスキール音と共に
中央分離帯が近づいてくる。遅ればせながら急いで外へカウンターを当てる、
とにかくたくさんきる・・・次の瞬間、リヤがグリップを戻す。
ステアリングを戻す間もなく、外のガードレールに正面から突っ込む。

呆然としていたのは、一瞬であったろうか。
エンジンが掛かる！
自力で車を動かす。クーラントを流しながら、傷ついた車を修理工場まで走ら
せる。途中で水を１回、ガソリンスタンドで補給した。
皆がじろじろ見ているが、じりじり上がる水温計を注視するので手一杯だった。
友人の一人は事故の交差点から歩いて下宿に戻り、車で修理工場まで迎え
にきてくれた。
幸い３人共、身体は無事でよかった。
えらい事をしてしまったが、何故かそれほど酷くは落ち込まなかった。


幸いエンジンはダメージがなく、淑には気が遠くなる修理代を払って86は
復活した。
車好きの友人から、
「お前の車、それだけ修理代使ってもらえて幸せやな。おれの車やったら
間違いなく廃車やからな。」
何か傷心の淑にはジーンとくるのでした・・・。

・・・・・・修理代、は、親を心配させないように過小申告して少し借りて、・・・
あとバイト代前借とか・・・いろいろしたかもしれない(笑)。

（*写真はお約束で削除しました）

帰省の途中、浜名湖にて









［ Toshi's story ］
淑のレビンが納車になった。
でも、そんなには乗ってない。

学校は駐車場がほとんどないし、下宿から歩いても１5分ぐらいだ。
バイト先のスタンドは、ちょっと遠いので雨でも原付だ。車を出してたら３倍
ぐらい時間がかかっちまう。
非番の週末なんかは乗っていく。車を洗って、WAXを掛ける。出勤の人や
気心のしれたお客さんと、しゃべったり。
たまに忙しくなると、私服のまま手伝ったりもするけど。

走るとすれば夜。
市内も21時を回れば流れは速くなる。
友達どうし２～３台で、たまに街を出て箱根まで遊びに行く。
七曲りや１号線、椿ラインに真鶴旧道などを夜どうし走る。ターンパイクは
速度が出ておっかないので行かなかったけど。
でも、うまい先輩と行く訳ではないので、うまくなる訳がない。
ひたすら突っ込んで、ハンドルをこじってアンダーのスキール音を聞きながら
冷や汗かいて曲がっていく。
あの頃は、土屋圭一もいなかったしドラテクビデオもなかった。
それでも、みんなでわいわい楽しかった。
朝焼けの始まるころ、西湘バイパスを飛ばして帰る。
少し寝ないと、今日の授業や卒研が・・・理系の４回生は忙しい。とりこぼしの
授業もたんまりあるし。